油圧式エレベーターは、油圧ユニット(モーター、ポンプ、タンク、コントロールバルブ)がシリンダーにオイルを送り込んでかごを押し上げ、かごは自重で下降します。トラクション式(ロープ式)エレベーターは、巻上機がロープを巻き取ってかごを昇降させ、反対側にはカウンターウエイトがあります。この違いが、設置費用、建物の条件、昇降行程を左右します。
15–20%トラクション式より低い設置費用
約12%昇降路面積の節約(カウンターウエイトなし)
最大26 mDonam 油圧式エレベーターの昇降行程
違いを一覧で比較
| 項目 | 油圧式 | トラクション式 |
|---|---|---|
| 設置費用 | トラクション式より約15–20%低い | 基準 |
| 工期 | トラクション式より短い | 基準 |
| 建物の上部構造 | 補強不要 | 補強に時間と費用がかかる。古い建物では上部構造の安全性検討が必要 |
| 荷重の伝達先 | 建物の基礎 | 建物の壁など |
| 昇降路面積 | 約12%節約(カウンターウエイトなし) | カウンターウエイトのスペースが必要 |
| 機械室の位置 | 地下、最上部など現場に合わせて配置 | — |
| エネルギー | 上昇時はトラクション式と同程度、下降時はエネルギー不要(自重で下降) | 上昇時は油圧式と同程度 |
| 保守 | 構成部品が少なく、モーターとポンプが油中で作動するため機械的な摩耗が少ない | 保守がより複雑 |
| 昇降行程と速度 | 最大26 m、最大30.9–34.38 m/min(Donam仕様、荷重別) | — |
油圧式の項目はDonam Engineeringの油圧式エレベーターの利点と仕様によるものです。「—」は当社の資料で比較していない項目です。
油圧式エレベーターの利点
建物オーナーにとって
- トラクション式より設置費用が約15–20%低く、保守費用も低い。
- カウンターウエイトがないため昇降路面積を約12%節約でき、垂直荷重を考慮する必要がないため昇降路の柱を小さくできる。
- 機械室を建物の構造や用途に合わせて自由に配置できる。
- 上部構造を補強せずに、古い建物や増築部分にも設置できる。
- 機械室が分離しているため、エレベーター内ではほとんど騒音が聞こえない。
設置会社・保守会社にとって
- トラクション式より構成部品が少なく、保守箇所が少ない。
- 部品の調達が容易なため、特定の1社の保守契約に縛られない。
- 非常時でも、かご上部や昇降路頂部に入らずに対応できる。
油圧式エレベーターの制約
- 昇降行程:Donam 油圧式エレベーターの最大昇降行程は26 mです。それ以上が必要な建物には適しません。
- 速度:荷重により最大30.9–34.38 m/minです。
- オイル管理:作動油は1–2年ごとに交換する必要があります。55 °Cを超えるとポンプとオイルの寿命が短くなるため、運行頻度の高い現場では換気やオイルクーラーが必要です。油圧式エレベーターのオイル管理をご覧ください。
油圧式エレベーターに適した建物
- 昇降行程26 m以下の低層建物
- 貨物や車両などの重量物を搬送する現場(当社資料:特に重量物の搬送で効率的)
- 上部構造の補強が難しい古い建物や増築部分
- 建物の最上部に機械室を設けにくい現場
Donam Engineeringの2022–2025年のリニューアル実績20件は、すべて油圧式の貨物用エレベーター(1.0–5.0 t)と自動車用エレベーター(2.0–3.0 t)でした。仕様は自動車用エレベーターの仕様とエレベーター/リフトの仕様に、見積りの基準は貨物用エレベーターの価格に掲載しています。
よくあるご質問
油圧式エレベーターは電気を多く使いますか?
Donam Engineeringの資料によると、上昇時のエネルギーはトラクション式エレベーターとほぼ同じで、下降時はかごが自重で下降するためエネルギーを使いません。
油圧式エレベーターは何階まで運行できますか?
Donam 油圧式エレベーターの最大昇降行程は26 mです。階数は階高によって異なるため、昇降行程でご確認ください。
トラクション式エレベーターを油圧式に変更できますか?
現場によります。昇降路のサイズ、昇降行程、機械室の設置場所を確認する必要があります。現場の詳細をお送りいただければ検討いたします。
油圧式エレベーターのご相談
用途、積載荷重、階数、新設かリニューアルかをお知らせいただければ、最適なシステムをご提案します。